架空の球を追う/森絵都
- 作者: 森絵都
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/01/30
- メディア: 単行本
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やっぱり罠にはまった。
そんな気がする。
ふとした光景から人生の可笑しさを
巧妙にとらえる森絵都マジック
(帯より)
感想
11の短篇集。
個人的には当たりもハズレもあって、短篇集ならそうなるよね。
一つひとつのお話は日常を切り取ったような話で、
それでいてちゃんとオチもついている(ものが多い)。
タイトルの謎はすぐに解ける
『架空の球を追う』というを見て、まずどんな内容なんだろうと想像すると思う。
架空の球ってなんだろう、とか、表紙では夜の道に風船が浮いてるけどなんだろう、とか。
そんなふうにちょっとワクワクしながら、本の表紙をめくった。
しかしなんと一本目の「架空の球を追う」の数ページでなんのことなのか分かってしまった。
個人的にはちょっと残念。もっとなんだろうなんだろうって思わせてほしかった。
同じ森絵都の「アーモンド入りチョコレートのワルツ」とかを読んでいたので、
これも現実だけどちょっとファンタジックな風味のあるお話かと思って読み始めたからなおさらかも。
でも一冊通して読んでみると、やっぱり表題作の「架空の球を追う」は一本目が合ってた。
女性ならではの雰囲気が全開だったように思う
この本のおはなしは全編「女性が主人公で女性目線」で書かれている(と思われる)ので、
漢らしい人が読んだら「ええいまどろっこしい」とか思っちゃうかも知れない。
逆に、女の人だから言えるような、
「すごく小気味のいい嫌味」というか、
「ジャパニーズジョーク」というか、
言葉のやりとりがすごく面白い。
こんな言い方でブログが書けたらどんなに面白いだろうとか思ったりした。
話はそれるけど、ものの言い方が面白いなぁと思うブログは二つある。
ぜひ一読されたし。時間があるときに。